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「気球で成層圏観光」目指すスペースパースペクティブ、ライバル企業が買収

2025.07.28 16:30

塚本直樹

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 気球による成層圏への観光旅行を計画している米Space Perspective(スペース・パースペクティブ)をスペイン企業Eos X Spaceが買収した。米メディアSpace.comが報じた

 Space Perspectiveは豪華な気球型宇宙船「Spaceship Neptune」(スペースシップ・ネプチューン)を開発している。2024年9月には、Neptuneの無人での試験飛行に成功し、最大高度は約30kmにまで到達した。

 同社は資金難に陥っており、1月には全従業員を解雇。その数カ月後には、米フロリダ州の空港からの立ち退きも命じられていた。2020年にマドリードに設立されたEos X Spaceは独自の気球旅行システムを開発している。

 今回の買収でEos X Spaceは米国での事業と影響力を拡大することが可能になる。同社はまもなく、フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターに気球のための宇宙港を、カリフォルニアのシリコンバレーには研究開発施設を設置する予定だ。最終的にEos X Spaceはグローバルな事業本部を米国に移転する。

 「かつてのライバル2社が力を合わせ、有人宇宙旅行を現実のものとする歴史的な機会だ」とEos X Spaceの創業者で最高経営責任者(CEO)のKemel Kharbachi(ケメル・カルバチ)氏は述べている。

2024年9月の試験飛行で海上宇宙港Voyagerから浮き上がるExcelsior号(出典:Space Perspective)
2024年9月の試験飛行で海上宇宙港Voyagerから浮き上がるExcelsior号(出典:Space Perspective)

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Space.com

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