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トランプ政権の予算案に反対–NASA歴代科学部門トップ7人が署名
科学プログラムを半減させるという、ホワイトハウスが提案した米航空宇宙局(NASA)の2026会計年度予算案に反対する書簡に存命する7人の元NASA科学ミッション局長が署名した。書簡は米連邦議会の上下院の歳出委員会指導部に送付された。
ホワイトハウスから示された予算案では、全体で約24%、特に科学予算では47%の削減を求めている。月探査計画「Artemis(アルテミス)」の一部である月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」を中止するとともに、ロケット「Space Launch System(SLS、スペース・ローンチ・システム)」と有人宇宙船「Orion」(オライオン)の段階的な廃止が含まれている。
今回の書簡に署名した7人は、「比類なく極めて有能な技術者や科学者の人材を深刻に傷つけ、数十億ドルに上る納税者の投資を無駄にする」と警告している。この予算削減は「宇宙科学における米国の世界的リーダーとしての地位を失わせ、中国や他国にその力を譲り渡すことになる」と述べている。
書簡では、科学プログラムがもたらす恩恵にも触れている。「NASAへの科学投資はこれまでも、そして今も、米国経済と技術的リーダーシップの強力な推進力なのだ」とし、火星探査車「Perseverance」(パーサヴィアランス)、「Hubble Space Telescope(HST、ハッブル宇宙望遠鏡)」、「James Webb Space Telescope(JWST、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)」、太陽探査機「Parker Solar Probe」(パーカー・ソーラー・プローブ)など、数多くの成功したミッションを指摘している。
「NASAの科学プログラムが国民からの幅広い支持と超党派の支持を得ているのには、正当な理由がある。NASAの科学はアメリカ国民に貢献し、NASAだけが提供できる畏敬の念とインスピレーションを与えるだけでなく、広範な直接的利益をもたらす」と元NASA科学部門トップたちは述べている。
「NASAが生み出す科学は、国内外でアメリカに対する好意的なイメージを生み出しています。NASAは、アメリカを偉大な国たらしめているものの目に見える例なのです」