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独ロケット企業Isar Aerospace、約250億円を調達–日本の宇宙機を打ち上げ予定
2025.06.30 09:50
ドイツのIsar Aerospace(イーザー・エアロスペース)は、米国の投資家からの転換社債として1億5000万ユーロ(約250億円)を調達した。同社は、日本の宇宙実験スタートアップであるElevationSpaceとも打ち上げ契約を結んでいるロケットスタートアップだ。
Isarは最大1トンのペイロードを地球低軌道(LEO)に投入できる小型ロケット「Spectrum」(スペクトラム)を開発している。2025年3月にはノルウェー北部のアンドーヤ宇宙港から打ち上げたが、機体はリフトオフ後に姿勢を崩し、発射台に隣接する海域に墜落した。

Isarによれば、資金はマイアミを拠点とするEldridge Industries(エルドリッジ・インダストリーズ)から調達したという。資金はミュンヘン近郊の本社における打ち上げ能力の拡大と、量産施設の整備支援に使用される。
「われわれは、世界的に高まる衛星打ち上げサービスの需要に応え、世界の市場や政府に宇宙へのアクセスを提供している」と、IsarのDaniel Metzler(ダニエル・メッツラー)CEO氏は述べている。「今回の投資は、新たな宇宙のチャンピオンになろうとする我々の努力に対する、世界市場からの強い信頼を示すものだ」
Isarは欧州宇宙機関(ESA)が運営するコンペティション「欧州ランチャーチャレンジ」の有力企業の1つと見られている。同コンペでは、欧州の公的機関のペイロードの打ち上げや、「打ち上げサービス能力の向上実証」に対し、1社あたり最大1億6900万ユーロ(約290億円)が提供される。
