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米国家偵察局の商業画像プログラムでも予算削減、衛星画像企業が撤回を要求

2025.06.18 18:00

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米国の主要な衛星画像企業のトップらは、商業リモートセンシングプログラムに対する予算削減案を拒否するように米連邦議会に強く求めている。米メディアのSpaceNewsBreaking Defenseなどが報じている。

 宇宙からの情報収集・警戒監視・偵察(Intelligence, Surveillance, target acquisition, and Reconnaissance:ISR)データを提供する米企業6社は、2026会計年度の予算案で米国家偵察局(NRO)の商業画像プログラムの削減を撤回するよう、米連邦議会の下院と上院の歳出や軍事、情報の各委員会のトップを務める議員に書簡を米国時間6月16日に送った。

 書簡には、NROに電気光学画像を提供しているBlackSky Technology(ブラックスカイ・テクノロジー)、Maxar Technologies(マクサー・テクノロジーズ)、Planet Labs(プラネットラボ)の3社、調査契約に基づいてNROにデータを提供している合成開口レーダー(SAR)衛星を運用している3社のうちの2社であるICEYE米法人、Capella Space(カペラ・スペース)、地上局サービスを展開するKongsberg Satellite Services(KSAT)の米法人の最高経営責任者(CEO)が署名している。

 「米国のリモートセンシング業界のリーダーとして、2026会計年度予算案が商業リモートセンシングプログラムの全面的な削減を提案していることに深い懸念を抱いている」と記している。

 2026会計年度の予算案は、米国政府に高解像度の衛星画像を提供する「電気光学商業レイヤー(EOCL)」プログラムの調達資金を約30%(約1億3000万ドル、約188億円)削減する内容を含んでいると報じられている。予算案はSAR画像の取得資金を完全に撤廃するものでもある。

 「2026会計年度の予算案は、商業SARプログラムの資金を完全に削除し、EOCLを大幅に削減し、将来の商業無線周波数(RF)の大規模な取得のための資金を無視するものだ」と述べ、これらの措置が最近の政府指針と長年の議会の指示の両方に矛盾すると主張した。

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