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NASA長官になれなかったアイザックマン氏–マスク氏への「私怨」が原因と発言

2025.06.06 17:03

塚本直樹

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 Jared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、自身の米航空宇宙局(NASA)長官指名がホワイトハウスによって撤回されたのは、Elon Musk(イーロン・マスク)氏との関係が原因だと考えている。米メディアSpaceNewsが報じている

 Isaacman氏は、Trump(トランプ)政権から2024年12月に次期NASA長官に指名された。しかし2025年5月31日、同政権からNASA長官への指名が撤回された。現時点で、その明確な理由は示されていない。同氏のNASA長官就任は、6月上旬にも開かれる予定の連邦議会上院で承認される見通しだった

 米国時間6月4日に公開されたポッドキャスト番組「All-In」に出演したIsaacman氏は、彼がSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の顧客であり、2度の民間宇宙飛行ミッションを指揮したこと、そしてMusk氏がIsaacman氏をNASA長官に推したことがNASA長官から引き下ろされた理由だと理解している。「私怨を持っている人がいて、私がその格好の標的だったのだろう」

 Musk氏は政権の「政府効率化省(DOGE)」の特別顧問を5月30日で退任している。Musk氏は、上院で現在審議されている減税延長法案に対して強く反対していることから、その関係はすでに悪化していたとも報じられている。

 Isaacman氏は、NASA長官に就任した場合に何を目指していたのかについても語った。「今の時代は予算が増えず、少ないリソースで成果を出さなければならない。NASAは小さなプロジェクトをいろいろやりすぎていて、それは他の機関や企業ができることだ。NASAは、他ではできない『ほぼ不可能』なことを成し遂げるために存在するべきだ」

 今後について「26年ぶりに、いわば無職になったようなものだ」と同氏は冗談交じりに語った。「なにか貢献できる場を探したい。飛ぶことと宇宙が本当に大好きなんだ」

All-Inで話すIsaacman氏(出典:All-In / YouTube)
All-Inで話すIsaacman氏(出典:All-In / YouTube)

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All-In(YouTube動画)
SpaceNews

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