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【速報】ispace、月面着陸の再挑戦に失敗–アジア民間初の快挙ならず
2025.06.06 09:13
ispace(東京都中央区)は6月6日の午前4時17分、着陸船(ランダー)「RESILIENCE」の月面着陸に挑んだが失敗に終わった。2023年の初挑戦では月面に落下して失敗。再挑戦となったが、アジアの民間企業初の快挙とはならなかった。

RESILIENCEは、民間月探査計画「HAKUTO-R」のミッション2「SMBC×HAKUTO-R VENTURE MOON」として、2025年1月にSpaceXのFalcon 9ロケットによって打ち上げられた。その後も深宇宙航行を続け、民間企業による月着陸船としては史上初の月のスイングバイに成功するなど、順調にマイルストーンをクリアしてきた。それだけに、月面着陸への期待感は前回以上に高まっていた。
東京都内で開催された着陸応援会には、深夜にも関わらず従業員やパートナー企業など500名以上が来場(中継先のルクセンブルクやアメリカなど4拠点の総人数は1500人)。RESILIENCEの月面着陸を見守ったが、着陸直前に通信が途絶えたことから結果は一度保留となった。
その後、同日午前9時に開催された記者会見で、ispace代表取締役 CEO & Founderの袴田武史氏により、RESILIENCEとの通信が回復せず、ミッション2を終了したことが報告された。
月面との距離を測るレーザーレンジファインダーにおいて、計測値の取得が遅れたことが分かっている。また、月面着陸に必要な速度まで十分に減速ができずハードランディングが起き、月面に衝突したと見られる。詳しい原因が分かり次第、改めて報告するという。
「2回目も着陸できなかった事実を重く受け止めている。ただし、この結果を生かして、ミッション3や4につなげていくことが何よりも重要だと考えている。しっかりと前に進むために、強い気持ちを持ち続けたい」(袴田氏)