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アストロスケール、デブリ衛星除去「ELSA-M」の詳細設計審査を完了

2025.06.05 17:57

塚本直樹

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 Astroscale(アストロスケール)は英国時間6月4日、OneWeb(ワンウェブ)のブロードバンド衛星を地球低軌道(LEO)から除去するサービス機の詳細設計審査(CDR)を完了したと発表した。

 この審査完了により、Astroscaleは「ELSA-M(End-of-Life Services by Astroscale-Multiple、エルサエム)」計画の元で、重量500kgのサービス機のフライトモデルの組み立て、統合、および試験へと進む。ELSA-Mは機能停止状態のOneWeb衛星を磁気メカニズムで捕獲し、その後に制御された経路で放出して大気圏で燃え尽きさせる。

 ELSA-Mの開発では主にAstroscaleが資金を提供し、英国宇宙庁の支援を受けている。実証ミッションは当初は2024年に予定されていたが、OneWebのEutelsat(ユーテルサット)への売却により遅延していた。同社は2030年頃に、商業的な軌道離脱(デオービット)サービスの提供を目指している。

 Astroscaleは2021年に小規模な実証ミッションとして、サービス機から小型の伴走衛星を放出し、再捕獲し、再度放出した。その後のスラスターの故障により2度目の衛星捕獲と、軌道離脱による大気圏での燃焼には失敗した。AstroscaleはELSA-Mの技術を活かし、英国宇宙庁が数年以内に実施する2機の衛星の除去ミッションに入札している。

(出典:Astroscale)

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