
ニュース
Space BD、防衛省から初受注–同社初の「ロケット一本買い」
2025.05.29 09:00
Space BD(東京都中央区)は5月28日、防衛省から衛星打ち上げ業務を受注したと発表した。スペースワン(東京都港区)のロケット「カイロス」で衛星をスペースポート紀伊から打ち上げる。Space BDが防衛省から受注するのは今回が初。2026年度内の打ち上げを予定している。
今回のプロジェクトは、Space BDにとって初の試みとなる、ロケットを1機調達して、小型衛星を主衛星とする打ち上げサポートサービスになる。同社が従来から提供している、超小型衛星を1つのロケットに複数機搭載するライドシェア(相乗り)での打ち上げサポートサービスとは異なる。
打ち上げられるのは、キヤノン電子が防衛省から受注して開発する「多軌道観測実証衛星」 。この衛星は、地球低軌道(LEO)から静止軌道(GEO)までの衛星の動きの検知を実証する光学衛星。宇宙領域把握(Space Domain Awareness:SDA)の能力向上が狙い。
SDAは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)や衛星の軌道などを把握する「宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)」を拡張した概念。衛星の意図や能力、衛星の運用を支える地上や海上のインフラまで把握することを目指す。
Space BD ローンチサービス事業ユニット 隅野雄大氏は「今回は当社にとっても初の試みとなる、小型衛星を主衛星としたいわゆる『ロケット一本買い』のミッションとなります。当社はこのミッションを通して、相乗り形態のみならず、一本買い形態での打ち上げサービス提供の経験を獲得し、今後、皆さまには両形態の知見をレバレッジした、より柔軟なサービスをご提案できると考えております」とコメントしている。