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九工大とシナノケンシ、宇宙技術の受託研究契約を締結
2025.05.28 09:00
精密小型モーターを製造、販売するシナノケンシ(長野県上田市)は九州工業大学(北九州市戸畑区)と宇宙技術の受託研究契約を締結した。5月23日に発表した。
九工大がオープンソース化に向けて開発する超小型衛星に、シナノケンシが開発、製造、販売するリアクションホイール「ARW-3m」と実証実験のための研究費を提供する。
同大学は、世界の大学や学術機関での小型衛星、超小型衛星の運用数で8年連続世界1位の実績がある。非宇宙先進国を支援する学際的な衛星開発プロジェクト「BIRDS Satellite Project」にも取り組んでいる。
シナノケンシは、同大学の宇宙の裾野を拡大する活動に共感し、開発技術の普及支援で今回の契約に至ったと説明する。九工大教授の趙孟佑氏(大学院 工学研究院 宇宙システム工学研究系)は以下のようにコメントしている。
小型人工衛星は短い開発期間と低い開発コストによって、従来の中大型衛星ではできなかった宇宙利用をもたらし、これまで宇宙開発・利用には縁遠かった企業・新興国が宇宙参入を果たす上で格好の入り口ともなります。小型衛星の技術が進化することで、人類の宇宙利用が大きく変化し、より多くの人が、より多様な宇宙利用の成果を享受できることにつながります。
小型衛星の利点の一つである短期開発のためには、各コンポーネントのサプライチェーンを国内で作ることが望ましいと考えます。シナノケンシのキューブサット用リアクションホイールは国内開発・製造であり、ぜひ使ってみたいと思いました。