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ヴァージン・ギャラクティック、2026年半ばから宇宙旅行を再開へ–価格は8700万円に値上げ
米Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は米国時間5月15日、新型スペースプレーンの生産が順調に進んでおり、2026年半ばからの商業飛行の開始に向けて前進していることを明かした。
15日に開かれた2025年第1四半期(1~3月)の決算発表会で、Virgin Galacticは新型スペースプレーン「Delta Class」(デルタ級)の機体構造、推進システム、航空電子機器(アビオニクス)などの分野で大きな前進があったことを強調した。6月からは、組立状況に関する定期的なアップデートを開始する予定だ。
Delta Classの試験飛行は2026年春に開始され、研究用の貨物(ペイロード)を搭載した最初の商業飛行は2026年夏に、民間旅行者の搭乗は2026年秋に始まる予定だ。チケット販売は、2026年第1四半期に再開される。チケットの価格はまだ発表されていないが、1枚60万ドル(約8700万円)と、これまでの45万ドル(約6500万円)より高くなる見通しだ。
Virgin Galacticはイタリア南部の空港からの飛行の可能性についても調査を進めている。新型スペースプレーンを高度80~100kmまで運ぶ運搬機の代替用途も検討している。
スペースプレーンを積んだまま高高度で長時間飛行できる運搬機(以前は「VMS Eve」)の能力は、情報収集や監視、偵察といった用途でも活用可能だ。
米メディアSpaceNewsによると、同社の最高経営責任者(CEO)であるMichael Colglazier(マイケル・コルグレイジャー)氏は「この能力を活用できるミッションの数は増加している」と説明、国防総省の関係者や航空宇宙防衛分野の企業の代表者と運搬機の活用を協議してきたことを明らかにした。
「初期のフィードバックには勇気づけられた」(Colglazier氏)。その中には、ミサイル防衛システム構想「Golden Dome」に関連した「複数の機会」も含まれているという。
2025年1~3月期は売上高50万ドル(約7261万円)を記録したが、EBITDA(利払い・税・償却前損益)ベースでは7200万ドル(約104億円)の赤字となった。それでも同社は、新型スペースプレーン製造のための一時的な投資が完了し、支出のピークはすでに越えたとしている。
同社が提供する商業飛行は高度80~100kmに運搬機で運ばれたスペースプレーンが自力で滑走路に帰還する(「準軌道(サブオービタル)飛行」や「弾道飛行」とも呼ばれる)。国際的には高度100km以上が宇宙とされるが、米空軍は80km以上を宇宙と定義している。

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