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中国、衛星とスマホの直接通信に包括規制–政府監視システムとの連携を義務付け
2025.05.10 08:00
国家サイバースペース管理局や国家発展改革委員会、工業情報化部、公安部など中国の7つの政府機関は現地時間4月30日、衛星とスマートフォンの直接通信(Direct to Device:D2D、「モバイルダイレクト」とも呼ばれる)サービスのための包括的な規制を発表した。
「衛星サービスに直接接続する端末機器の管理に関する規定」と名付けられた通知は、インフラの展開、エコシステムの育成、より広範な統合を含む、D2Dの開発を支援するものだ。この規制は国家安全保障と公共の利益を保護し、D2Dサービスの発展を促進することを目的としている。
策定された通知では、国家安全保障と法的監視、データの国内処理義務、周波数干渉の防止、免許制度に重点を置いている。サービス提供者は実名登録制や中国のサイバーセキュリティ法、個人情報保護法の順守、ラジオやテレビ関連サービス提供者への特別な許可、コンテンツ配信プラットフォームの政府監視システムとの連携が義務付けられる。
中国は静止軌道(GEO)を周回する通信衛星「天通1号」(Tiantong)」でのD2Dの試験をすでに実施済しており、Huawei(ファーウェイ)の一部スマートフォンはこれを利用した衛星メッセージ機能を搭載している。同国は、地球低軌道(LEO)を周回する、国営の衛星ブロードバンドサービス「国網(Guowang)」と「千帆(Qianfan)」の計画も進めている。