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千葉工大、小型ハイブリッドロケットの打ち上げ実験に成功–鹿児島県肝付町から発射

2025.05.05 08:00

UchuBizスタッフ

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 千葉工業大学は5月4日、鹿児島県肝付町において小型ハイブリッドケット(C0-1号機)の打ち上げ実験に成功した。打ち上げ後はパラシュートとフロートを展開し、洋上で回収した。千葉工大と肝付町が締結した連携協定での初の打ち上げとなり、300人の見学者が見守った。

千葉工業大学 工学部の和田豊教授のXより

 C0-1号機は全長1500mm、直径154mmの小型ロケットで、燃料にABS樹脂、酸化剤に亜酸化窒素(N2O)を活用するハイブリッドロケットモーターを搭載する。千葉工大と共同で研究しているAstroX(福島県南相馬市)が開発するロケット用コンポーネントの一部をロケットに搭載しており、共同での技術実証も兼ねている。ロケット発射台(ランチャー)は、地元企業である南光が、鹿児島県宇宙ビジネス共創支援事業補助金を活用して製作した。

 今回の実験では、(1)小型ハイブリッドロケットの基礎的な打上げ・回収技術の確立、(2)洋上回収プロセスの検証と運用ノウハウの蓄積、(3)安全かつ効率的な小型宇宙輸送手段の開発に向けたデータ取得などを目的としていた。今回得られた成果をもとに、さらに高高度・高精度のロケット開発に向けた技術改良を進めるとしている。

(C)秋山演亮・前田恵介
(C)秋山演亮・前田恵介

 千葉工大と肝付町は2024年6月に連携協定を締結。宇宙関連分野での相互交流を深めるとともに、両者の資源や特徴を生かし、宇宙関連産業で活躍できる人材の育成と宇宙関連技術の振興、宇宙関連交流人口増加による地域振興の推進などを目指している。

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