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53年前のソ連の金星探査機が5月10日ごろに地球に落下へ–パラシュートが露出?

2025.05.04 10:21

塚本直樹

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 1972年3月に打ち上げられた旧ソ連の金星探査機「Cosmos 482」(コスモス482号)の、地球への落下が近づいている。

 Cosmos 482はバイコヌール宇宙基地から「Soyuz」(ソユーズ)ロケットにより打ち上げられたが、飛行中にトラブルが発生。探査機の一部である着陸機(ランダー)が地球軌道に取り残され、50年以上地球を周回することになった。

 Cosmos 482のランダーは、金星の過酷な環境へとパラシュートで着陸するために設計されていた。地球の大気圏へと再突入しても無傷で生き残り、そのまま地表に落下する可能性がある。なお、地球への再突入予測日は5月10日(プラスマイナス2.2日)とされている。

 オランダのアマチュア天文家のRalf Vandebergh(ラルフ・ヴァンデバーグ)氏は、地球低軌道(LEO)を飛行するCosmos 482の撮影に成功。過去の観測データと照らしあわわせ、「コンパクトな球体にくわえ、側面にゆるく伸びた構造が見える」とし、これがパラシュートの可能性があるとの見解を示した。

 「物体(Cosmos 482)が回転している可能性もあり、もしそれがパラシュートであれば、タイミングによっては見えたり見えなかったりする」(Vandebergh氏)

出典:NASA / Ralf Vandebergh

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Space.com

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