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中国、月南極探査機「嫦娥8号」の国際ペイロードを発表–パキスタンやトルコの探査車など
2025.04.28 16:09
中国の宇宙機関である中国国家航天局(CNSA)は現地時間4月24日、2028年か2029年に打ち上げる予定の月面南極探査ミッション「嫦娥8号」(Chang’E-8:CE-8)に搭載する、国際パートナーからの貨物(ペイロード)を明らかにした。
嫦娥8号は「長征5号(Long March 5)」ロケットで打ち上げられるミッションで、着陸船(ランダー)や探査車(ローバー)で構成されるとみられている。相乗りミッション用の200kgのペイロード容量も用意されており、民間企業の参加も承認されている。
CNSAは、嫦娥8号の協力プロジェクトとして、11の国と地域、1つの国際機関から10のプロジェクトを選択。選ばれたペイロードには、多機能ロボットやローバー、天文学や粒子分析用の機器、イメージャー、レーザー反射器などが含まれる。中国のローバーだけでなくパキスタンのローバー、そして中国とトルコの大学や民間企業が共同開発したマイクロローバーも搭載される。
嫦娥8号は、月面南極付近のMons Mouton(ムートン山、別名「ライプニッツ・ベータ」)と呼ばれる高原地帯への着陸を目指す。この地域には「永久影領域(Permanently Shadowed Regions:PSRs)」が存在し、特に氷の状態で存在している水の発見が期待されている。2026年に予定されている「嫦娥7号(Chang’E-7:CE-7)」の南極着陸ミッションとともに、2030年代に建設開始予定の中国による「国際月面研究ステーション(ILRS)」の前段階として位置づけられている。
嫦娥8号では、月のレゴリスを太陽光で溶かして3Dプリントでレンガにする技術を実証する計画だ。
