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NASA、ニューヨークの研究所で賃貸契約を終了–トランプ政権による見直しの一環で
2025.04.25 15:00
米航空宇宙局(NASA)は、ゴダード宇宙飛行センターのニューヨークにあるオフィスの賃貸契約を終了する。海外メディアのSpaceNewsが米国時間4月24日に報じている。
ゴダード宇宙飛行センター所長のMakenzie Lystrup(マッケンジー・リストルップ)氏は、コロンビア大学のビル内にあるオフィスの賃貸契約が5月31日で終了するとメールで職員に通知した。このオフィスは、ゴダード宇宙飛行センターの地球科学部門に属する「ゴダード宇宙科学研究所(Goddard Institute for Space Studies:GISS)」の拠点だ。
Lystrup氏によれば、今回の賃貸契約の終了の決定は、現政権による政府機関の契約全般の見直しの一環だという。政府効率省(Department of Government Efficiency:DoGE)が関係しているかどうかは現時点では不明だ。
GISSは1961年に設立され、ニューヨークに拠点を置いている。その理由として、GISSの公式サイトでは「理論研究を進めるにあたり、大都市圏の一流大学に近いことが有利だと考える」と説明している。
GISSは気候科学に関する研究で広く知られており、自然や人為的要因による気候変化のモデリングを行っている。NASAはこのビル内に約4000m2のスペースを借りており、年間約303万ドル(約4.3億円)の家賃を支払っている。
NASAはGISSのオフィスの賃貸契約を終了するものの、研究所そのものは閉鎖しない方針だ。Lystrup氏は「新しい拠点が見つかるまで、職員は短期的にリモートワークで対応できるようにする」ことをメールで明らかにしている。
