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ispace、南オーストラリア州政府から助成金–地元企業と「越夜」技術を共同検討
2025.04.23 08:00
民間月探査計画「HAKUTO-R」を進めているispace(東京都中央区)は4月22日、オーストラリアの南オーストラリア州政府から20万ドルの助成金を獲得したことを発表した。
同社は、放射性同位体が自然崩壊する時に発生する熱を使う「放射性同位体加熱装置(Radioisotope Heating Unit:RHU)」の月面での技術実証と着陸船(ランダー)への搭載を検討をオーストラリアのentXと共同で進めることを1月に発表した(RHUと同じ原理で動作する「原子力電池」はNASAの「Voyager」などに搭載された)。
南オーストラリア州政府が地元の宇宙イノベーションを支援するためにつくった「宇宙協力・イノベーション基金」(South Australian Space Collaboration & Innovation Fund)」の第2ラウンドでentXが20万ドルを獲得、ispaceは一部を受け取る。
entXが開発するRHUは、月探査で「月の夜を生き延びる」(越夜)ために必須の技術。越夜できれば、月でのミッション期間を延長できることになる。entXとispaceは、熱要件やパッケージング、システムの互換性などに焦点をあてて、実現性を評価する。
ispaceは欧州法人を通じて英レスター大学と、日本本社が開発している着陸船(ランダー)と探査車(ローバー)の拡張機能としてRHUを搭載して越夜に挑戦するためのコンサルティング契約を締結した。
同社の米法人ispace technologies U.S(ispace US)は、米Zeno Power Systemsと放射性同位体電源(Radioisotope Power System:RPS)を将来の月面ミッションに統合することを共同で検討している。

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ispaceプレスリリース