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NASAとロシア、宇宙船の座席交換を2027年まで延長–ソユーズのISS係留期間も8カ月に延長へ

2025.04.14 16:49

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米航空宇宙局(NASA)は、ロシア宇宙機関Roscosmosと宇宙飛行士を乗せて国際宇宙ステーション(ISS)に向かう宇宙船の「統合クルー協定」(integrated crew agreement)を2027年まで延長する。米国時間4月3日に明らかにした。

 現在ISSへの宇宙飛行士の送迎には、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペース)の「Crew Dragon」(クルードラゴン)と、ロシアの「Soyuz」(ソユーズ)宇宙船が使用されている。米Boeing(ボーイング)の「CST-100 Starliner」(スターライナー)は2024年6月に有人試験飛行(CFT)を実施したが、正式運用はまだ始まっていない

 NASAとRoscosmosの協定は、NASAの宇宙飛行士がSoyuzに、Roscosmosの宇宙飛行士がCrew Dragonなどに搭乗することで、どちらの宇宙船に長期的な不具合が発生しても、ISSにアメリカ人とロシア人が常に1人ずつ滞在できるようにするもの。この協定では、金銭のやり取りは行われない。

 NASAの広報担当者は「NASAとRoscosmosは統合クルーミッションの計画を修正し、2025年に2回、2026年に1回のセットミッション、そして2027年に1回のCrew Dragonによるミッションを実施する」と海外メディアのSpaceNewsに述べている

 4月に打ち上げられた「Soyuz MS-27」のミッション以降は、SoyuzのISSでの係留期間が6カ月から8カ月に延長される。これにより、Soyuzのミッション回数は2年間で4回から3回に減少する。BoeingのStarlinerがこの協定に含まれるかどうかも不透明だ。

 NASAはISSへの宇宙飛行士の送迎を有償で委託する「商業乗員輸送プログラム(CCP)」としてSpaceXとBoeingを選定。SpaceXのCrew Dragonはすでに2020年11月から実運用されており、2025年7月以降に予定されている「Crew-11」は11回目のミッション(CFTを含めると12回目)。BoeingのStarlinerは実運用前の段階。CFTに問題がなければ、実運用ミッションである「Starliner-1」は2025年2月に予定されていた。

MS-27として3人の宇宙飛行士を乗せてISSに近づくSoyuz(出典:NASA+)
MS-27として3人の宇宙飛行士を乗せてISSに近づくSoyuz(出典:NASA+)

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NASAプレスリリース
SpaceNews

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