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中国、月のレゴリスをレンガに加工–太陽光で溶かして3Dプリント、2028年の「嫦娥8号」で計画
2025.04.11 15:30
中国は月の表面に存在する土(レゴリス)を使って、3Dプリントでレンガを作成する計画を進めている。海外メディアのSpace.comが報じている。
このプロジェクトは、2028年に打ち上げ予定の月探査ミッション「嫦娥8号」(Chang’E-8)で実行される予定。計画では太陽エネルギーを活用し、レゴリスを溶かして3Dプリントでレンガにする技術を実証する予定だ。
同国の月探査計画「嫦娥」の主任設計者である呉偉仁氏は、「我々は世界初の『レゴリスでレンガを作る装置』を開発した。このシステムは太陽光を集めてエネルギーを生成し、光ファイバーで送信する。摂氏1400〜1500度の熱でレゴリスを溶かし、3Dプリント技術でさまざまなレンガに加工する」に国営放送の中国中央電視台(CCTV)と話している。
中国はこの技術実証に向けた準備として、レゴリスを模した試料で作ったレンガのサンプルを「天宮(Tiangong)」宇宙ステーションに送っている。このサンプルは今後3年間、宇宙空間での温度変化や放射線、真空環境にさらされて、耐久性がテストされる。
このミッションは、中国が計画している「国際月面研究ステーション(ILRS)」の建設に向けた、重要なステップとなる。また、現地の資源をその場で利用する「ISRU(In-Situ Resource Utilization)」という意味でも大きな意味がある。

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Space.com