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米ボーイング、宇宙事業からの撤退を否定–「スターライナー」で740億円の損失
2025.03.13 10:56
米Boeing(ボーイング)のSpace Mission Systemsでバイスプレジデントを務めるMichelle Parker(ミシェル・パーカー)氏は、宇宙事業からの撤退に関する報道を否定した。海外メディアのSpaceNewsが報じている。
The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は2024年10月、Boeingが宇宙事業の一部を売却する初期段階を議論していると報じた。その売却対象には、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を輸送する「CST-100 Starliner」(スターライナー)も含まれているという。
Parker氏がバイスプレジデントを務めるSpace Mission SystemsはBoeing Defense, Space & Securityの一部門。イベント「Satellite 202」に登壇したParker氏は、「そのような議論があることは承知しているが、私が担当している衛星や関連する地上業務は、Boeingの中核事業だ」とSpaceNewsに語った。「この分野には大規模な投資を行っており、今年、来年、さらにはその先まで顧客にサービスを提供できることを楽しみにしている」
Parker氏はStarlinerの事業には言及しなかったものの、企業向けや政府向けの衛星、軍用宇宙機「X-37B」を含むSpace Mission Systemsが提供する製品への強い需要について語った。同部門は太陽電池メーカーのSpectrolabや小型衛星の主要請負業者であるMillennium Space Systemsも管理している。
Boeingは2024年に118億ドル(約1兆7000億円)の損失を報告し、そのうちの5億ドル(約740億円)以上がStarliner事業に関連している。Starlinerと米航空宇宙局(NASA)が主導する月探査計画「Artemis」に活用されているロケット「Space Launch System(SLS)」はBoeing Defense, Space & Securityが管理しているが、Parker氏が担当するSpace Mission Systemsの一部ではない。
