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宇宙飛行士のISS送迎「クルー10」、ミッションパッチのデザインに生成AIを活用–大西飛行士が搭乗
米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)が国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を送迎するミッション「Crew-10」のクルーは、AI(人工知能)が生成したミッションパッチを着けて宇宙に飛び立つ。
「Crew-10のパッチは4人のクルーが慎重にデザインした。初期のインスピレーションにAIを使用し、かけがえのない人間がデザインを完成させた」と米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行啓発部門が公開したキャプションには書かれている。
AIが生成したレンダリングには、翼を広げた神話のドラゴンや多角形のデザイン、地球上で発光する軌跡で大きな「X」を描いたバージョンが含まれていたという。NASA宇宙飛行士のNichole Ayers(ニコール・エアーズ)氏は「我々がプロのパイロットであることから翼を描き、Crew-10を表すローマ字の『X』の形で上昇と下降の軌跡を示した」と米国時間3月7日に開かれた記者会見で述べている。

「AIは、ブレインストーミングに使える本当に素晴らしいツールです。夫と私は座って、AI画像ジェネレーターに入力し始めました」(Ayers氏)
NASAのジョンソン宇宙センターのシニアアートディレクターのBlake Dumesnil(ブレイク・デュメスニル)氏は、「AIのコンセプトは非常に役立った。特にいくつかの要素は、そのまま使えるほど完成度が高かった」と海外メディアのcollectSPACEの取材に答えている。
Crew-10には、NASAに所属するAyers氏やAnne McClain氏、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に所属する大西卓哉氏、ロシアの宇宙機関Roscosmosに所属するKirill Peskov氏の4人が搭乗する。
打ち上げ日時は日本時間3月13日午前8時48分(米東部夏時間3月12日午後7時48分)を予定。ISSへのドッキング完了は日本時間3月13日午後7時(同3月13日午前6時)を予定している。Crew-10の打ち上げとISS到着はJAXAのYouTubeチャンネルで生中継される予定。
NASAは2024年5月に初の「最高AI責任者」としてDavid Salvagnini(デイビッド・サルバニーニ)氏を任命している。