ニュース

プラスチック燃料のスラスター開発Letara、6.5億円を調達–累計額は18億円

2025.03.11 11:00

UchuBizスタッフ

facebook X(旧Twitter) line

 衛星などの宇宙機用推進器(スラスター)を開発する北海道大学発のスタートアップ、Letara(札幌市北区)は3月11日、6.5億円の資金調達を発表した。優先株式と新株予約権付社債の発行、銀行融資で調達した。

 優先株式を引き受けたのは全日空商事、国立研究開発法人の科学技術振興機構(JST)、SMBCベンチャーキャピタル、豊田合成。新株予約権付社債を引き受けたのはあおぞら企業投資。三井住友銀行が融資した。

 補助金を含めた累計の資金調達額は約18億円。今回の資金調達で宇宙での実証に向けた開発を加速させ、早期の実現を図るとしている。

 衛星用スラスターは、電気推進と液式推進に大別されるが、電気推進は高効率かつ長寿命で安全性も高い一方、推進力が弱く大きな加速が必要なミッションには不向き。もう1つの液式推進は大推進力を得られ、即時に推力を発生できるが、燃料の取り扱いや安全管理に高いコストがかかり、燃料消費が激しいため長期間のミッションには不向きとされている。

 Letaraが開発しているスラスターは、電気推進の安全性と液式推進の高推進力を兼ね備えた「ハイブリッド推進システム」という。燃料には素手で扱えるプラスチックを用いるほか、廃プラスチックも流用できるため環境負荷も低減できると説明。同スラスターを搭載することで、ライドシェア軌道に打ち上げられた小型衛星が、自力で深宇宙に向かうことも可能になるとしている。

関連情報
Letaraプレスリリース

Related Articles