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KDDI、IDDKの宇宙バイオ実験プラットフォーム開発を支援
2025.03.10 16:00
KDDIは、IDDK(東京都江東区)の宇宙バイオ実験プラットフォームなどの開発について宇宙共創プログラム「MUGENLABO UNIVERSE」を通して支援する。3月7日に発表した。
IDDKは、半導体センサーをベースにした顕微鏡観察技術を活用した宇宙バイオ実験サービスの展開を目指している。宇宙バイオ実験プラットフォームの開発では、創薬などの宇宙環境を利用した実験や研究開発に対して最適化された宇宙バイオ実験ユニットの開発、宇宙での実証実験を進める。
KDDIは、宇宙を活用して地球上の課題解決を目指してスタートアップと大企業が共創するプログラムとしてMUGENLABO UNIVERSEを展開している。IDDKは、光学技術と半導体技術を融合させて、従来の顕微鏡とは全く異なる原理という顕微観察技術(Micro Imaging Device:MID)を開発している。
IDDKは、衛星を使った宇宙バイオ実験をドイツの宇宙スタートアップATMOS Space Cargoと共同で実施することを発表。Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)のロケット「Falcon 9」で4月にも打ち上げる予定。
実証実験では、無人でも自動で作動するIDDKの宇宙バイオ実験装置「Micro Bio Space LAB(MBS-LAB)」を地球低軌道(LEO)で稼働させる。ATMOSが開発する、宇宙から地球に貨物を帰還させる大気圏再突入カプセル「PHOENIX」にMBS-LABを搭載して打ち上げる。
IDDKのMID技術を搭載した実験ユニットで、LEOでの顕微観察を含めた機能動作実証試験を行うことで、衛星を活用した宇宙バイオ実験の実現可能性を検証。宇宙環境を活用した創薬、アンチエイジングなど、さまざまな軌道上ライフサイエンス研究を後押しすることを目指す。
MID技術が微小重力環境下で電源供給やデータ管理システムなど、自動化されたシステムで連続的に顕微観察できるかを実証。顕微観察や実験環境のデータをリアルタイムに取得できるかも確かめる。実証によって国際宇宙ステーション(ISS)以外での宇宙バイオ実験手段となり得ることを示したいという。

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KDDIプレスリリース