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NASA、宇宙望遠鏡「SPHEREx」を3月7日に打ち上げ–太陽圏観測衛星「PUNCH」が相乗り
米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「SPHEREx」と太陽圏観測衛星「PUNCH」の打ち上げが米国時間3月7日に延期された。NASAが3月4日に発表した。
SPHEREx(Spectro-Photometer for the History of the Universe, Epoch of Reionization and Ices Explorer)とは、天の川銀河の1億個の恒星と4億5000万個の銀河を赤外線領域でマッピングする宇宙望遠鏡。
高度700kmの地球低軌道を周回するSPHERExは、2年間の観測で全天をマッピングし、1年に2枚の地図を作成する。主鏡の周りに設置されたコーンは、望遠鏡を赤外線から遮断するために取り付けられる。
SPHERExは、近傍宇宙では星の周りや円盤の中から水や一酸化炭素などの分子を探す。これらは生命の起源に必要なものだ。遠い宇宙では、星や銀河の形成がいつ始まったかを研究する。
PUNCH(Polarimeter to Unify the Corona and Heliosphere)は太陽の活動を観測する。4機の小型衛星で構成されるコンステレーションであり、各機に搭載されているカメラで撮影して、画像を統合することで仮想の単一観測機器として活用されることを狙っている。
4機は極軌道を周回して、地球の昼と夜の境目に分散して、太陽の外層大気である「コロナ」が、太陽から絶えず流出している「太陽風」に移行する領域をマッピングするという。
太陽コロナや太陽風を3Dで観測するように設計されているPUNCHは、「太陽の大気が太陽風に変化する」仕組み、「太陽風の構造がどのように形成されるか」「これらのプロセスが太陽系にどのような影響を与えるか」などの疑問に答えられると期待されている。
太陽風や「太陽フレア」、コロナ質量放出(CME)などの太陽の現象は、太陽系全体で宇宙天気に大きな影響を与えている。これらの現象は、オーロラの発生や激化から、衛星への干渉や停電の引き金に至るまで、社会や技術に大きな影響を与える可能性がある。
SPHERExとPUNCHはNASAのライドシェア(相乗り)方式の「Launch Service Program」(ローンチ・サービス・プログラム)ミッションとして、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Falcon 9」(ファルコン9)ロケットで打ち上げられる。これにより、複数のロケットを購入するよりもミッションコストを抑えることができる。現時点での打ち上げ予定日時は米東部時間3月7日午後10時9分。

関連情報
NASA発表
SPHEREx概要(JPL)
SPHEREx概要(NASA)
PUNCH概要(NASA)
PUNCH概要(SwRI)
Space.com