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ispace、月着陸船「レジリエンス」は6月6日に着陸–米ブルーゴースト成功は「嬉しい、悔しい、羨ましい」

2025.03.04 11:31

藤井 涼(編集部)

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 ispace(東京都中央区)は3月4日、ミッション2 中間報告会を開催し、2025年1月に打ち上げた月着陸船「RESILIENCE」(レジリエンス)の着陸予定日が、6月6日午前4時24分になると発表した。同社の代表取締役である袴田武史氏は「(前回のミッション1と比べて)運用の効率性や確らしさは非常に大きく改善している。自信を持って6月6日を迎えられる」と思いを語った。

着陸予定日が2025年6月6日に決定

 民間月探査計画「HAKUTO-R」のミッション2「SMBC×HAKUTO-R VENTURE MOON」として、RESILIENCEは1月15日にSpaceXのロケット「Falcon 9」で所定の軌道に投入され、ロケットから分離された。1月17日には初回の軌道制御マヌーバを実施して予定軌道に投入された。

 そして、2月15日には民間企業による商業用ランダーとして初めて“月フライバイ”に成功した。これにより、ミッション2のマイルストーンのサクセス5まで完了したことになり、次のサクセス6は月周回軌道への投入となる。

全長2.3mの月着陸船「RESILIENCE」(レジリエンス)の実物大レプリカ
HAKUTO-R Mission Control Center

米ブルーゴースト着陸成功は「嬉しい、悔しい、羨ましい」

 このミッション2 中間報告会が開かれる2日前には、米Firefly Aerospaceの月着陸船「Blue Ghost」(ブルーゴースト)が民間企業として2例目となる月面着陸に成功した。この点について質問がおよぶと、同社CTOである氏家 亮氏は「嬉しい、悔しい、羨ましい」と率直な思いを語った。

 「(米Firefly Aerospaceは)同じ境地を目指す仲間だと思っており、すごく嬉しい。一方で競争相手でもあるので、先を行かれたのは非常に悔しい。その気持ちの根幹にあるのは、やはり羨ましいという気持ちがあるから」(氏家氏)

ispaceのCTOである氏家亮氏

 また、中間報告会の2日後となる3月6日には、米Intuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)の月着陸船「Nova-C」(通称「アテナ」)が月面着陸を予定している。袴田氏は、「10年前に民間3社の月着陸船が同時に月に行くなんて、誰も想像していなかったと思うし、今は現実のものになっている」と現状に対する思いを語った。

ispaceの代表取締役である袴田武史氏

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