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月でも「アメリカ・ファースト」–「NASAは宇宙での支配を目指す」長官代行が発言
米航空宇宙局(NASA)の長官代行は米国時間3月2日、「宇宙のあらゆる領域で支配的な立場を確立することが重要だ」と発言した。
米Firefly Aerospaceは、NASAが民間企業に月への貨物(ペイロード)輸送を委託する「商業月面輸送サービス(CLPS)」の一環として、月着陸船(ランダー)「Blue Ghost」を月着陸を目指し、米中部時間3月2日午前2時34分に着陸に成功した。民間企業による月着陸成功は2例目。
NASA長官代行のJanet Petro(ジャネット・ペトロ)氏のこの発言は史上初となる完全な着陸を目前に控えたタイミングで発せられた。
Petro氏は、「なぜBlue Ghostの着陸がNASAとアメリカの宇宙計画にとって重要なのか」を質問された際に、「現政権は本当に『アメリカ・ファースト』を維持したいと考えている。それを実現する方法は、宇宙のあらゆる領域で支配的な立場を確立することだ」と発言した。「そして今夜、まさに月面とその周辺で我々はその支配的地位を確立するのだ」
さらにPetro氏は、「この宇宙領域で支配的である限り、アメリカを最優先にできると考えている。我々は、アメリカを誇り高いものにする。これは、アメリカ国民のために行なっているのだ」と付け加えた。
CLPSについても、「月経済を構築する上で、極めて重要だ」と語った。「月経済を構築することこそが、我々が月面とその周辺で支配的立場を築く方法なのだ。だからこそ、やらなければならない」と説明した。
NASA初の女性トップとなったPetro氏は、第2次Trump政権が発足した1月から長官代行を務めている。次期長官としてJared Isaacman氏が指名されたが、米連邦議会の承認はまだ得ていない。
前長官のBill Nelson氏の退任後、長官代行は当時次官だったJim Free氏が務めるとみられていたが、ケネディ宇宙センター(KSC)所長のPetro氏が長官代行として指名された(Free氏はその後NASAを退職している)。
