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大西卓哉宇宙飛行士、3月13日朝に打ち上げ–クルードラゴンでISSに

2025.02.28 15:58

UchuBizスタッフ

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 日本の大西卓哉氏を含む宇宙飛行士4人は、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて既報通り3月12日に打ち上げられる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2月28日に発表した。

 4人が乗った宇宙船「Crew Dragon」(クルードラゴン)を搭載したロケット「Falcon 9」は、米東部夏時間3月12日午後7時48分(日本時間3月13日午前8時48分)に米フロリダ州のケネディ宇宙センターの発射場39Aから打ち上げられる。

 ISS送迎ミッション「Crew-10」でCrew Dragon(名称は「Endurance」=エンデュランス)に乗るのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に所属する大西氏のほかにNASAに所属するAnne McClain氏とNichole Ayers氏、ロシアの宇宙機関であるRoscosmosに所属するKirill Peskov氏。Crew-10でコマンダー(船長)を務めるのはMcClain氏、パイロット(操縦士)を務めるのはAyers氏。

 ISS搭乗後、4人は第73次長期滞在クルーとして約半年ISSに滞在する。大西氏は、第73次長期滞在で日本人として3人目となる、ISSの船長を務める。ISSは2030年頃に退役する予定であることから大西氏は自身のISS長期滞在は「今回が最後になる」との思いを明かしている

 4人の宇宙飛行士は、ISSで滞在しているクルーに会う前に病気に感染するのを防ぐため、打ち上げまでの2週間は隔離されて過ごすことになる。

 Crew-10の搭乗員は「Crew-9」でISSに長期滞在している4人から1週間前後の間に引き継ぐ。

 Crew-9で地球に帰還するのは、NASAに所属するNick Hague氏、 Suni Williams氏、Butch Wilmore氏とRoscosmos所属のAleksandr Gorbunov氏。Williams氏とWilmore氏は米Boeingの宇宙船「Starliner」の有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)としてISSに搭乗したが、Starlinerに乗っての帰還はリスクが大きいとしてCrew-9で帰還することとなった。2人のISS滞在は1週間前後の計画だったが、結果的に約9カ月となってしまっている。

 Crewミッションは、Space Exploration Technologies(SpaceX)のCrew DragonでISSとの間で宇宙飛行士の送迎をNASAが有償でSpaceXに委託する「商業乗員輸送計画(Commercial Crew Program:CCP)」の一環。今回のCrew-10は10回目になる。

 Crew-10では、Crew Dragonの新造船を使用する計画だったが、完成が遅れたため、既存のEnduranceを使用する。Enduranceはこれまで「Crew-3」「Crew-5」「Crew-7」で使用され、その後は米Axiom Spaceによる民間有人宇宙飛行ミッションの第4弾「Axiom Mission 4(Ax-4)」に割り当てられていた。

2月17日に米フロリダ州のケネディ宇宙センターにあるSpaceXの施設内で試験するCrew-10の4人。(左から)Peskov氏、Ayers氏、 McClain氏、大西氏(出典:SpaceX)
2月17日に米フロリダ州のケネディ宇宙センターにあるSpaceXの施設内で試験するCrew-10の4人。(左から)Peskov氏、Ayers氏、 McClain氏、大西氏(出典:SpaceX)

関連情報
NASA発表
JAXAプレスリリース
Crew-10
ISS長期滞在(NASA)
ISS長期滞在(JAXA)
大西氏ISS長期滞在ウェブサイト

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