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アストロスケール、機動対応実証機の試作を73億円で受注–防衛領域に参入
2025.02.27 14:34
アストロスケール(東京都墨田区)が防衛省から機動対応宇宙システム実証機の試作を受注した。親会社のアストロスケールホールディングスが2月27日に発表した。
プロジェクトは、宇宙領域把握(Space Domain Awareness:SDA、「宇宙状況認識」とも言われる)をはじめとする宇宙監視や情報収集、宇宙作戦能力の向上に必要となる技術の軌道上実証が目的。静止軌道を周回する小型衛星を設計して、プロトフライトモデル(Proto-Flight Model:PFM)を試作、試験する。PFMはプロトタイプモデル(Proto-type Model)とフライトモデル(Flight Model)の性格を兼ね備えている。
防衛省からの契約金額は72.7億円。期間は2025年3月~2028年3月。契約は実証機の試作であり、実際の運用などは契約に含まれていない。アストロスケールにとっては安全保障・防衛領域への参入の契機になると説明する。
今回のプロジェクトは、「接近・近傍運用(Rendezvous and Proximity Operations:RPO)」技術や観測を静止軌道で展開することを想定。設計と試作では「ADRAS-J」で実証しているRPO技術を活用する。試作される実証機は高機動性や小型であること、光通信も実証することが特徴という。光通信は、軌道上でのインフラとして高速データ伝送、安定した通信などが可能になる。
