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IDDK、日本初の人工衛星を使った「宇宙バイオ実験」へ–2025年4月に打ち上げ

2025.02.21 16:39

UchuBizスタッフ

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 IDDK(東京都江東区)は2月21日、日本初となる人工衛星を使った宇宙バイオ実験を、ドイツの宇宙スタートアップであるATMOS Space Cargo(以下、ATMOS)と共同で実施することを発表した。2025年4月にSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)のFalcon 9ロケットで打ち上げる予定。

 今回の実証実験では、無人でも自動で作動するIDDKの宇宙バイオ実験装置「Micro Bio Space LAB(MBS-LAB)」を、地球低軌道で稼働させる。ATMOSが開発する、宇宙から地球に貨物を帰還させる大気圏再突入カプセル「PHOENIX」にMBS-LABを搭載して打ち上げる。

トライアルミッション「MBSLAB-ZERO」

 IDDKの顕微観察技術「Micro Imaging Device(MID)」を搭載した実験ユニットで、地球低軌道上での顕微観察を含めた機能動作実証試験を行うことで、人工衛星を活用した宇宙バイオ実験の実現可能性を検証。宇宙環境を活用した創薬、アンチエイジングなど、さまざまな軌道上ライフサイエンス研究を後押しすることを目指す。

ミッションイメージ(出典:ATMOS Space Cargo)

 具体的には、MID技術が微小重力環境下において、電源供給やデータ管理システムなど、自動化されたシステムで連続的に顕微観察できるかを実証。また、顕微観察や実験環境のデータをリアルタイムに取得できるかも確かめる。実証によってISS以外での宇宙バイオ実験手段となり得ることを示したいという。

MIDボードとRaspberry Pi ZERO 2W
MBS-LABパーツリスト

 なお、今回のミッションは地球低軌道での機能動作実証試験だが、2026年の打ち上げを目指す商用フライトミッションもすでに計画しているという。

関連情報
IDDKのプレスリリース

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