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北京市、2028年までに年100回のロケット打ち上げ目指す–商業宇宙開発を強化

2025.02.19 14:03

塚本直樹

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 北京市政府は現地時間2月12日、商業宇宙産業の拡大に向け、新たな政策やインフラ投資、そして過去最多となる年間100回のロケット打ち上げ目標を発表した。国営通信社の新華社などが報じている。

 2024年には、北京に拠点を置く企業による商業ロケットが13回打ち上げられ、80機以上の衛星が軌道に投入された。北京には藍箭航天(LandSpace)や星河動力(Galactic Energy)、星際栄耀(iSpace)、天兵科技(Space Pioneer)などの宇宙企業の本社が集まっている。

 2月12日に開催された「北京商業宇宙産業高品質発展大会」では、再利用可能な宇宙輸送システムの設計、回転爆轟(回転デトネーション)推進技術の開発と応用、衛星インターネット技術、衛星間の相互接続と制御などの分野に特化した、8つの研究所が設立された。

 2025年には、商業打ち上げ回数を40回以上に増やし、130機以上の衛星を軌道に投入する計画だ。Galactic Energyは同年に14回の打ち上げを予定しており、大半は「谷神星1号(Ceres-1)」ロケットを使用する。Landspaceは再使用可能なメタン・液体酸素ロケット「朱雀3号(Zhuque-3)」の初飛行を2025年第3四半期に予定している。Space Pioneerは2025年5月に「天龍3号(Tianlong-3)」の初軌道打ち上げを予定している。

 2028年までには、年間100回の打ち上げを達成する計画だ。この目標が達成されれば、年間1000トン近いペイロードが軌道に送られ、2000機のインターネット衛星が打ち上げられることになる。

北京商業宇宙産業高品質発展大会の会場で展示された再利用可能なロケットの模型(出典:北京市政府)
北京商業宇宙産業高品質発展大会の会場で展示された再利用可能なロケットの模型(出典:北京市政府)

関連情報
北京市政府
界面新聞
新華社
SpaceNews

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