ニュース

ソニーの超小型衛星「EYE」が2月19日に運用終了–宇宙撮影体験を1年にわたり提供

2025.02.19 11:07

UchuBizスタッフ

facebook X(旧Twitter) line

 ソニーは同社初となる超小型衛星「EYE」を2月19日に停波し、運用を終了することを明らかにした。2023年1月に軌道上に打ち上げ、2024年3月からは一般ユーザー向けの宇宙撮影体験サービス「STAR SPHERE」を約1年にわたり提供してきた。運用終了後は大気圏に再突入する。

 ソニーは、共創プログラム「J-SPARC」の枠組みでJAXAや東京大学と連携し、ゼロから超小型人工衛星EYEの開発に取り組んだ。EYEは、6U(10cm×20cm×30cm)という小型サイズに、ソニー製フルサイズカメラ(レンズ「28-135mm,F4」)を搭載していることが特徴。検討や開発に1年、施策に1年、軌道上への打ち上げに1年の歳月をかけた。

ソニーの超小型衛星「EYE」

 2023年1月にはSpace Exploration Technologies(SpaceX)のFalcon 9ロケットに搭載され、高度524kmの軌道に無事投入された。衛星との通信にも成功したものの、リアクションホイールの3つのうち1軸が故障したことから、当初予定していた宇宙撮影サービスを中止。その後、姿勢制御方法の検証と安定した撮影ノウハウの蓄積に努め、2024年3月から限定的ながらも一般ユーザー向けの宇宙撮影体験「STAR SPHERE」を開始した。

 STAR SPHEREは、撮影シミュレーターを使って、PCブラウザから自分ならではの視点で宇宙空間や地球の好きな地点を撮影できるサービス。シミュレーターで自分が撮りたいエリアと日時をリクエストすると、EYEが後日、その日時の軌道上で実際に写真を撮影するというものだ。

「STAR SPHERE」

 STAR SPHEREでは1年間にわたり、定期的に撮影体験者を募集。延べ300人以上の一般ユーザーが宇宙からの撮影体験を実施した。たとえば、自分の住んでいる地域や、海外旅行などで行った思い出の地など、それぞれが思い入れのあるエリアの撮影を楽しんだという。

 なお、2月22日18〜20時には、さまざまなゲストとEYEの運用を振り返る「運用終了式」を公式YouTubeチャンネルにて開催予定となっている。

Related Articles