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鹿児島県肝付町と和歌山大学、宇宙産業で活躍できる人材を育成へ–地域活性化も目指す
2025.02.19 07:41
鹿児島県肝付町と和歌山大学は、宇宙産業の人材育成や地域活性化を目的に、包括連携協定を締結することを発表した。宇宙産業で活躍できる人材の育成、宇宙関連技術の振興、関係人口増加による地域振興などを推進する。2月18日には協定締結式を開催した。

肝付町は鹿児島県の東南部にある人口1.3万人ほどの町で、イプシロンロケットなどの打ち上げ射場であるJAXA 内之浦宇宙空間観測所があることでも知られている。また、スペースサイエンスタウン構想(2015〜2024年)において「宇宙開発に携わる人材育成拠点に」と掲げ、さまざまな宇宙関連施策を展開。2023年には宇宙専門部署の「宇宙のまちづくり推進課」も設けた。
今回の協定締結では和歌山大学宇宙教育研究所と共同で、2025年1月に内閣府主導で策定された「宇宙スキル標準(試作版)」に基づいたカリキュラムを検討し、鹿児島県立楠隼中高一貫教育校を含む、町内の小中高校生向けに宇宙教育活動を試行することを目指す。
また、肝付町において、全国約30大学等によるロケット打ち上げ実験の場を提供するとしている。地域関係者の協力のもと、打ち上げ実験の安全審査・安全管理体制を構築し、2025年度内の共同実験の実施を目指す。
さらに、和歌山大学観光学部等と共同で、JAXAロケット射場を生かした観光・地域づくりの検討・試行をする。肝付町における地域課題の解決に向けた活動や調査等に取り組むなど、宇宙資源を生かした観光振興・地域振興に向けた検討・実践を行うとしている。検討にあたっては、一般社団法人宙ツーリズム推進協議会や一般社団法人Space Port Japanとも連携するという。