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高知県に宇宙港を–「スペースポート高知」設立、2029年のロケット打ち上げを目指す

2025.02.18 17:00

UchuBizスタッフ

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 高知県にロケットや宇宙機の離着陸場となる宇宙港(スペースポート)をつくるため、一般社団法人スペースポート高知(高知県高知市)が2月3日に設立された。同団体が2月17日に発表した。

 2022年時点で世界の宇宙産業の市場規模は55兆円といわれており、2040年には150兆円まで拡大すると予測されている。日本の宇宙産業の課題とされているのがロケットの打ち上げと同団体は説明。高知県は少子高齢化による人口減少や経済の低迷の課題は他県より先行していると指摘する。

 成長著しい宇宙産業と課題の多い高知県を結び付ける糸口としてスペースポートと位置付けている。同県は太平洋に面しており、スペースポートに最適なロケーションと説明する。

 同団体の創立メンバーは、株式会社BUNJI GATEの代表取締役である小松聖児氏と同社の取締役である古谷文平氏。同社は小松氏と古谷氏が2024年7月に設立した(両氏とも高知県出身)。

 同団体の発起人である小松氏は、三菱電機やispace、海外の宇宙企業で宇宙機通信システム設計開発に従事。これまでに静止軌道通信衛星や月面着陸機、低軌道衛星、火星探査機、コンステレーション衛星など10年間で25機を超える宇宙機を開発したという。

 代表理事であり発起人である古谷氏は、大学卒業後に豊田通商に入社し、10年間アフリカビジネスに従事。2019年にUターンし、家業の高知サンライズホテル(高知県高知市本町)の経営に従事。2021年にシェアオフィスを設立している。

 スペースポート高知は3月から会員を募りながら本格的な活動を始めると説明。宇宙ビジネスやロケット、スペースポートの知見がある講師を迎えて定期的に勉強会を開催して、さまざまな角度から高知県でのスペースポートの可能性を検討していくとしている。

 スペースポート開港というプロジェクトは、性質上多くの利害関係者での利害調整や国との連携が必要不可欠と解説。早い段階から高知県庁を巻き込んでいくことが必要と考え、2025年度中にスペースポート高知の構想を高知県庁に政策提言することを当面のゴールとしている。同団体はウェブサイトで以下のようなロードマップを描いている。

2025年度=高知県への提言。調査予算を確保して本格調査を開始
2026年度=スペースポート建設予算を確保、設計開始。周辺観光施設の検討開始
2027年度=スペースポート建設開始。周辺観光施設の設計開始。小型ロケット誘致
2028年度=スペースポート建設。周辺観光施設の設計開始。小型ロケット複数社誘致。大型ロケット射場の検討開始
2029年度=スペースポート運用を開始。スペースポートの射場拡張。周辺施設の設計開始。小型ロケット打ち上げ

 設立記念イベントを2月26日に開催する予定。開催場所は高知サンライズ内のコワーキングスペース。ウェブから申し込むことができる

スペースポートのイメージ(出典:スペースポート高知)
スペースポートのイメージ(出典:スペースポート高知)

関連情報
スペースポート高知プレスリリース(PR TIMES)
スペースポート高知ウェブサイト
設立記念イベント

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