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2024年は「34時間に1回」ロケット打ち上げ–2025年はさらに増加の見込み

2025.02.13 08:30

塚本直樹

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 2024年には世界で合計259回、平均すると約34時間に1回のペースでロケットが打ち上げられたと非営利団体のSpace Foundationが報告している。

 Space Foundationの調査部門となるThe Space Reportの報告書によれば、2024年はSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)が世界の打ち上げ市場を牽引したという。具体的には、同年には132回の「Falcon 9」(ファルコン9)ロケットを打ち上げ、世界の打ち上げ総数の半分以上を占めた。

 132回のうち約90回は、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」(スターリンク)。Starlinkは世界中で400万人以上にサービスを提供し、売り上げは118億ドル(約1.8兆円)に達すると予測されている。

 軍事衛星の打ち上げも前年比86%増加。特にSpaceXは、米国の国家安全保障を支援する目的で、「Starshield」(スターシールド)衛星を100機以上打ち上げたという。

 2024年の打ち上げ回数で、米国は中国を2倍以上引き離した。ロシアも打ち上げる衛星の数を大幅に増加させており、2023年の21機から2024年は98機に増加した。このうちの約半数は、北方海の航路やその他の海洋監視ネットワーク向けに配備されたとみられている。

 報告書では、2025年もロケットの打ち上げ回数の増加が見込まれるという。その要因として、欧州での独自の打ち上げ能力の強化が挙げられており、現在はフランス、ドイツ、イギリスのロケットの初打ち上げが準備されている。

関連情報
The Space Report
Space.com

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