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NASA、宇宙飛行士のISS送迎ミッション「Crew-10」で使用する宇宙船を変更–新造船の完成に遅れ
米航空宇宙局(NASA)は現地時間2月11日、宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に送迎するミッション「Crew-10」で使用する宇宙船「Crew Dragon」を変更すると発表した。新造船を使用する予定だったが、その完成が遅れていることを海外メディアのSpaceNewsが伝えている。
Crew-10では、新造船の代わりに既存の「Endurance」(エンデュランス)号を使用する。Enduranceはこれまで「Crew-3」「Crew-5」「Crew-7」で使用され、その後は米Axiom Spaceによる民間有人宇宙飛行ミッションの第4弾「Axiom Mission 4(Ax-4)」に割り当てられていた。
NASAによれば、今回の変更でCrew-10の打ち上げと「Crew-9」の地球への帰還が早まる。Crew-10の打ち上げは当初の3月下旬から3月12日以降に前倒しされ、Crew-9の帰還はCrew-10の到着の数日後となる予定だ。
Crew-9の帰還では、もともと搭乗していた2人の宇宙飛行士だけでなく、米Boeing(ボーイング)の宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)でISSに搭乗した2人の宇宙飛行士が地球に帰還することになる。StarlinerでISSに搭乗したButch Wilmore氏とSuni Williams氏の当初のISS滞在は1週間前後とされていたが、約10カ月の滞在となってしまっている。
Crew-10には宇宙航空研究開発機構(JAXA)に所属する宇宙飛行士、大西卓哉氏が搭乗。大西氏は第73次長期滞在でISSのコマンダー(船長)を務める。
Crewミッションは、Space Exploration Technologies(SpaceX)のCrew Dragonを使ってISSとの間で宇宙飛行士の送迎をNASAが有償でSpaceXに委託する「商業乗員輸送計画(Commercial Crew Program:CCP)」の一環。
