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米ヴァスト、人工重力の宇宙ステーション「Haven-1」打ち上げを2026年に延期

2025.02.07 16:10

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米Vast Space(ヴァストスペース)は現地時間2月6日、宇宙ステーション「Haven-1」の認定モデルの試験を開始した。同宇宙ステーションの打ち上げを2026年に延期することも発表した。

 Heaven-1は円筒形状の宇宙ステーションで、回転させることで人工重力を発生させることができるという。もともとはSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Falcon 9」(ファルコン9)ロケットで2025年8月にも打ち上げられる予定だった。

 Vastは米カリフォルニア州モハーヴェの施設でHeaven-1の主要構造に関する認定用試作部品の試験を開始した。この試験では、モジュールに通常の1.8倍の圧力を加える試験と、漏れに関する試験が実施された。今後はFalcon 9での打ち上げ時にモジュールが直面する、環境シミュレーションが予定されている。

 今後のスケジュールとしては、Vastは7月にフライトモデルの主要構造を完成させ、2025後半に統合試験を実施する。その後モジュールはフロリダに送られ、2026年5月にも打ち上げられる。初の搭乗クルーは宇宙船「Crew Dragon」で2026年6月末以降にHeaven-1に向かう予定だ。

 同社は国際宇宙ステーション(ISS)の後継になり得る民間宇宙ステーション「Haven-2」を2024年10月に発表した。Haven-2は、最初に16フィート(約4.9m)ユニットを展開し、続いて3つのモジュールを2030~2032年に打ち上げる予定だ。Haven-2には幅41フィート(12.5m)の窓が設けられ、ロボットアーム、宇宙船の停泊機能、外部ペイロードのエアロック、船外活動用エアロックが設けられる。

 現在のISSは2030年の退役を予定しており(ポストISS)、米航空宇宙局(NASA)はISSの後継となる民間宇宙ステーションを開発するプログラム「商用地球低軌道開発(Commercial Leo Development:CLD)」を主導している。同プログラムには、Axiom SpaceやBlue Origin、Starlab Spaceが参加している。

 CLDでは、2026年半ばにも2回目の選考が予定されている。VastはHaven-1を建設、運用することで同社の実力を実証することを目指しており、CLDへの参加を狙っている。

(出典:Vast Space)
(出典:Vast Space)

関連情報
Vast発表
Haven-1
Haven-2
SpaceNews

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