
ニュース
ESA、月着陸船「アルゴノート」で欧州企業と契約–1360億円で降下機を開発
欧州宇宙機関(ESA)は現地時間1月30日、月着陸船(ランダー)「Argonaut」(アルゴノート)の開発で欧州企業Thales Alenia Space(タレス・アレニア・スペース)と約8億6200万ユーロ(約1356億円)の契約を締結したと発表した。
Argonautは2トンの積載能力を持ち、観測機器や探査車(ローバー)、技術実証機などの貨物(ペイロード)を月に運ぶことが目的。月面にいる宇宙飛行士に必要な食料や水、空気などを運ぶことも視野に入れている。
月の資源を利用した生産施設や月面での望遠鏡、加えて発電所として利用することも想定しており、多目的に利用できるように設計されている。そのため、月面で5年間運用することを想定している。
ESAはArgonautを月への定期的な輸送手段として2031年以降運用することを考えている。最初のミッション「ArgoNET」は2031年の打ち上げが予定されている。

Thales Alenia Spaceは、今回の契約で月に輸送、着陸するための降下機(ディセンダー、Lunar Descent Element:LDE)を開発する。ディセンダーは、ランダーの3つの主要コンポーネントの一つで、残り2つはペイロード、ペイロードとディセンダーを接続するカーゴプラットフォーム(Cargo Platform Element:CPE)。LDEは2030年までに納入される予定。
Thales Alenia Spaceは「初回のミッションでは、月の南極付近を探査する欧州企業向けに専用の航法や通信の機器、エネルギーを生成、蓄電するシステムを輸送する予定」と述べている。

関連情報
ESAプレスリリース
Thales Alenia Spaceプレスリリース
Argonaut(ESA)
Space.com