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ISS「きぼう」の船外カメラで地球の撮影を指示–クラファンで募集開始

2025.02.07 11:45

UchuBizスタッフ

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 宇宙ロボットを開発するスペースエントリー(茨城県つくば市)は、クラウドファンディング「誰もが宇宙に挑戦できる未来へ! 第0弾『宇宙ステーションからの地球撮影ミッション』」の募集を1月24日から開始した。

 募集が開始したプロジェクトは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟(JEM)「きぼう」の船外カメラで地球を撮影するというもの。きぼうを有償で利用できる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の制度を活用する。

 JAXAの筑波宇宙センターにあるきぼうの運用管制室に入って、リアルタイムの映像を見ながら地球の撮影を指示できる。指示は、きぼうのフライトディレクター(管制官)を通じて実行される。カメラの角度やズームなどを指示できる。

 実際の管制プロセスを生で目撃できるという。フライトディレクターが普段行っている計画立案の方法やどんなコマンドをやり取りしているかなどを元フライトディレクターの生解説を聞く「濃厚な体験」になると同社は説明している。

 体験は1日当たり3枠で3月18日、25日、27日の3日間を予定している。

 きぼうの有償利用制度を活用した企画だが、スペースエントリーは「かなり実験的な試み。場合によっては最初で最後の機会になるかもしれない」と説明している。

 この「管制体験」プランは、30万円、120万円、170万円の3つが用意されている。1人当たり30万円で6人で参加できる。通常6人で参加する管制体験を1人で独り占めするのが120万円。120万円のプランは最大6人まで参加することも可能。170万円のプランは、120万円のプランに「開発隊員」(※後述)1年参加権を特別割引の50万円で購入できるもの(通常は60万円)。170万円のプランを独り占めすることも可能。

開発プロジェクトに参加できるコミュニティーを設立

 スペースエントリーはISS内にあるカメラの利活用、ISS内で稼働するロボットの利活用、新しい宇宙ロボットの開発――などを事業としている。「もっと多くの人に、夢だった宇宙開発に関わってもらいたい」という思いから、宇宙に関連したプロジェクトに誰でも参加できるコミュニティー「Space Entry Lab」の設立を決定した。

 同コミュニティーのメンバーになることで2025年から始まる世界初という民間宇宙ドローンをはじめとする、さまざまな宇宙開発のプロセスに参加できると説明する。

 Space Entry Labは月額制の有料コミュニティーで「開発隊員」(月額5万円)と「応援隊員」(月額500円)という2つの形態で参加できる。

 開発隊員は、開発メンバーの1人としてSlackや開発会議に参加して、スペースエントリーの宇宙開発プロジェクトに参加できる。開発隊員の特典は以下の通り。

  • Slack参加(開発状況の確認可能)
  • 開発会議(zoom)にオブザーバー参加(2年で7回)
  • 特別セミナー(zoom)参加(2カ月に1回程度)
  • スペースエントリー代表による開発状況説明会(3カ月に1回)
  • Space Entry Lab総会(リアルパーティー)
  • 開発体験チケット購入権
  • デジタル会員証
  • ニュースレター
  • 1年継続特典

 応援隊員はニュースレターなどを通じて開発状況を知ることができる。特典は以下の通り。

  • 特別セミナー(zoom)参加(年2回)※開発隊員の特別セミナーと共通
  • 開発会議の切り出し動画の視聴(2年で7回)
  • デジタル会員証
  • ニュースレター
  • 1年継続特典

 今回のクラウドファンディングでは、「開発体験」プランも用意している。「宇宙ドローン」試作品の機能試験を4月から提供する予定だが、機能試作の体験会に参加チケットを60万円で提供する(参加人数は限定)。体験会は茨城県つくば市内で開催する予定。機能試験体験会参加チケットに開発隊員1年の参加権を加えたものを100万円で提供する。

(出典:スペースエントリー)
(出典:スペースエントリー)

関連情報
スペースエントリープレスリリース
宇宙ステーションからの地球撮影ミッション

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