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インドの測位衛星「NVS-02」が軌道上で立ち往生–不具合で静止軌道まで到達できず

2025.02.04 18:27

塚本直樹

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 インド宇宙研究機関(ISRO)の「GSLV」ロケットにより、現地時間1月29日に打ち上げられた測位衛星「NVS-02」が、予定していた静止軌道へと到達できなかったと、海外メディアのSpace.comが報じている。

出典:ISRO

 NSV-02は、インド独自の衛星測位システム「Navigation with Indian Constellation(NavIC)」を構成する、5機の次世代衛星の2機目だ。NavICは米国の測位システム「Global Positioning System(GPS)」と同様に、インドおよび周辺地域に高精度な測位・航法・時刻サービスを提供することを目標としている。

 NVS-02は赤道上空の約3万6000kmの静止軌道への投入を予定していた。しかし報告によれば、同衛星は軌道を静止高度へと固定する段階で「数値的な不具合(value issue)」が発生し、エンジンが動作せず、遷移軌道に止まる結果となったという。

 ISROは現在、衛星の代替運用案を検討しており、姿勢制御用の小型スラスターを使用して近地点を上昇させ、大気抵抗による軌道の低下を防ぐ可能性を探っている。同機関は「衛星システムは正常で、現在は楕円軌道を維持している。楕円軌道での航法利用に向けた、代替ミッション戦略を策定中だ」と声明で述べた。

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Space.com

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