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 H3ロケット5号機が打ち上げ–日本版GPS衛星「みちびき6号」の軌道投入に成功

2025.02.02 17:59

UchuBizスタッフ

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は2025年2月2日17時30分、国産基幹ロケット「H3」5号機を種子島宇宙センターから打ち上げた。打ち上げは無事に成功し、日本版GPS衛星とも言える政府の準天頂衛星「みちびき」6号機を軌道に投入した。H3ロケットは、2号機から4機連続での打ち上げ成功となった。

「H3」5号機の打ち上げの瞬間(JAXAライブ配信より)

 打ち上げ後に、固体ロケットブースターの「SRB-3」を分離。その後も順調に第1段機体と第2段機体を分離し、打ち上げから約29分後にペイロードである「みちびき」6号機を分離して、静止軌道との中間軌道である静止トランスファー軌道へと投入した。

出典:JAXA

準天頂衛星「みちびき」6号機とは?

 準天頂衛星システム「みちびき」は、位置情報や時刻情報を提供する社会インフラとなるもの。今回軌道投入した「みちびき」6号機(QZS-6)は、初号機後継機、2号機、3号機、4号機の4機体制で運用されている準天頂衛星システムを、7機体制に拡張するための追加3機(5号、6号、7号)のうち1機目の測位衛星となる。

 衛星による測位には4機以上の測位衛星が必要になる。追加3機により、日本上空に常にみちびきの衛星が4機以上滞空すれば、他国のシステムに頼らず、みちびき単独での持続測位が可能になるという。また追加3機では、JAXA開発の新たな高精度測位システムの実証を、従来の測位サービスと並行して実施する。

 なお、4機は必要最低限の機数となっており、仮に1機でも故障してしまえば単独での測位を維持できない。そこで、将来はバックアップ強化のために11機体制へと拡張することで、もし1機が故障しても、測位機能を維持できるようにするという。

みちびきの11機体制を目指す(出典:JAXA)
各国の測位衛星システムの現状(出典:JAXA)

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