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米ファイアフライの月着陸船「ブルーゴースト」が地球を撮影–3月に着陸へ
米Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)の月着陸船(ランダー)「Blue Ghost」(ブルーゴースト)が軌道上から撮影した地球の写真を送信した。
Blue Ghostは1月15日にSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Falcon 9」(ファルコン9)ロケットで打ち上げられた(同じく月を目指すispaceのランダー「RESILIENCE」と相乗り)。3月上旬にも月面に着陸する予定。現在は地球を周回しており、約2週間後にエンジン燃焼を行い、4日間かけて月の周回軌道に向かう予定だ。そして16日後、月面に降下する。
Blue Ghostは1月24日、エンジンを噴射させて軌道を上昇させる際に、今回の地球の写真を撮影した。「2回目のエンジン噴射ではSpectre RCS(姿勢制御システム)スラスターのみを使用して、Blue Ghostの遠地点(地球から最も遠い地点)を調整した」とFireflyはX(旧Twitter)に投稿している。
Blue Ghostによる月着陸ミッション「Ghost Riders in the Sky」は米航空宇宙局(NASA)の「商業月面輸送サービス(CLPS)」の一環として、NASAの科学機器を月面に運ぶ。月面に到着すると10個のNASAの科学実験を起動し、月のレゴリス、放射線環境、太陽風と地球の磁気圏の相互作用に関する研究を行う。
Blue GhostはNASAが主導する月探査計画「Artemis」で必要となる機器も搭載している。NASAとイタリア宇宙機関(Agenzia Spaziale Italiana:ASI、Italian Space Agency:ISA)が共同で開発した「LuGRE」もその1つ。LuGRE(Lunar GNSS Receiver Experiment)は、米「Global Positioning System(GPS)」や欧州「Galileo」のような、地球で活用されている衛星測位システム(GNSS)の信号を月での測位や航法(ナビゲーション)、タイミングに使用できるかを実証する。

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LuGRE解説
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