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ボーイング、「スターライナー」の追加損失を計上へ–前四半期は388億円の追加損失

2025.01.24 18:38

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米Boeing(ボーイング)は米国時間1月23日、宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)で2024年第4四半期(10〜12月)の決算で追加損失を計上する見込みだと発表した。

 Boeingによれば、第4四半期に17億ドル(約2600億円)の追加損失が計上される見込みだという。このうち4億ドル(約620億円)が、Starlinerや大統領専用機「VC-25B」、ドローン「MQ-25」に対して計上される予定だ。

 Starlinerは、国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士の送迎を米航空宇宙局(NASA)が有償で企業に委託する「商業乗員輸送計画(Commercial Crew Program:CCP)」に活用するために開発された。BoeingのStarlinerとともにSpace Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Crew Dragon」(クルードラゴン)がCCPに選定された。

 Crew Dragonは2020年に有人飛行試験(CFT)に成功し、2021年から実運用されている。Starlinerは2024年6月にCFTとして打ち上げられ、ISSとのドッキングに成功したが、スラスターへの不安から2024年9月に無人で地球に帰還した

 NASAは、2024年10月にStarlinerの初の実運用を2025年以降に延期し、宇宙飛行士送迎ミッション「Crew-10」と「Crew-11」にCrew Dragonを使用すると発表した(Crew-10には、宇宙航空研究開発機構=JAXAに所属する宇宙飛行士の大西卓哉氏が搭乗する予定)。当初の計画ではStarlinerの実運用ミッションは2025年2月に予定されていた。

 「Starlinerの次回飛行のタイミングと構成は、Boeingのシステム認証への道筋がより明確になった時点で決定される」とNASAは以前述べていた。「NASAはStarlinerの2025年の飛行の可能性も含め、システム認証を達成するための最適な方法の選択肢を検討している」

 Boeingは、Starlinerの分が含まれる追加損失、4億ドルの内訳を明かしていない。同社は1月28日に第4四半期の決算を報告する予定だ。Boeingは2024年第3四半期(7~9月)にStarlinerで2億5000万ドル(約388億円)の追加損失を計上している

(出典:NASA)
(出典:NASA)

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