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欧州と中国の宇宙天気ミッション「SMILE」、打ち上げへ前進
欧州宇宙機関(ESA)と中国科学院(CAS)による共同ミッション「SMILE」が2026年初頭の打ち上げに向け準備が進められている。
SMILE(Solar wind Magnetosphere Ionosphere Link Explorer)は、太陽から流れ出る太陽風を観測して地球の磁気圏とどのように相互作用するのかを探る。ESAはSMILEの意義について「太陽と地球のつながりをすべて見ることができ、太陽系科学の大きなギャップを埋めることができる」と説明している。
「宇宙天気と太陽風についての理解を深められる」と期待されているSMILEは、「太陽風が地球の磁気圏と出会う場所で何が起こるのか?」「最も危険な宇宙天気を事前に予測するには?」などの疑問を解決できると考えられている。
ESA長官のJosef Aschbacher(ジョセフ・アッシュバッハー)氏は現地時間1月9日に開かれた年次記者会見で、SMILEが欧州のクールー宇宙基地から「Vega C」(ベガC)ロケットで打ち上げられると発言した。SMILEには科学機器として軽イオン分析器、磁力計、軟X線イメージャー、紫外線オーロライメージャーが搭載される。
ESAはSMILEのペイロードモジュール、打ち上げロケット、科学機器のうちの1つを提供する。CASは3つの科学機器と、ミッション運営を担当する。ミッションは元々2021年の打ち上げを予定していたが、技術的な問題やCOVID-19などの影響から遅れていた。
