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中国、打ち上げ回数で記録更新–2024年は68回、アメリカに次いで2位に

2024.12.31 15:00

塚本直樹

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 中国の固体ロケット「力箭1号」(Kinetica-1、Lijian-1)が現地時間12月26日に打ち上げに失敗したものの、年間打ち上げ回数で同国新記録を達成した。

 酒泉衛星発射センターから打ち上げられた力箭1号は、数時間後に中科宇航(CAS Space)がミッションの失敗を確認。「第1段と第2段は正常に動作したが、第3段が点火から3秒後に姿勢を崩し、自爆装置が作動した」と声明で述べている(CAS Spaceは中国科学院=CASのスピンオフ企業であり、衛星打ち上げや宇宙旅行用の固体ロケットや液体ロケットを開発している)。

 海外メディアのSpaceNewsによると、今回の打ち上げは、中国にとって2024年で68回目となり、2023年の67回を更新した。68回のうち2回が失敗で、どちらも民間企業による固体ロケット、Kinetica-1と7月にiSpaceが打ち上げた「双曲線1号」(Hyperbola-1、Shuang Quxian-1:SQX-1)だった。

 2024年の打ち上げ回数では、中国はアメリカに次ぐ2位でロシアの17回を上回った。2024年初頭に国営企業の中国航天科技集団(CASC)は年間100回の打ち上げを予測していたが、結果は70回程度にとどまり、商業ロケットの30回の打ち上げも未達となった。

 2024年に中国が軌道に投入した宇宙機の数も、260機超と新記録となった。2023年の221機を大きく上回るもので、「千帆(Qianfan)」や「国網(Guowang)」といった衛星コンステレーションの展開がこれに寄与している。

海南省文昌市郊外にある文昌衛星発射場で月探査ミッション「嫦娥5号」を打ち上げる「長征3号」ロケット(出典:CNSA)
海南省文昌市郊外にある文昌衛星発射場で月探査ミッション「嫦娥5号」を打ち上げる「長征3号」ロケット(出典:CNSA)

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