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アークエッジ・スペース、「月版」GPSの高精度化を目指す
2024.12.11 15:00
アークエッジ・スペース(東京都江東区)は12月11日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「月測位システム(LNSS)のFOCに向けたフィージビリティ・スタディ(その1)」の契約先として選ばれたことを発表した。
現在、月での通信や測位の国際標準フレームワーク「LunaNet」についてJAXAや米航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)で検討が進められていて、地球の測位衛星システム(GNSS、代表的なものが米GPS)の“月版”を各国共同で構築する構想が進められている。
月での測位サービスは「LANS」(Lunar Augmented Navigation Service)と呼ばれ、日本の月測位衛星システム(Lunar Navigation Satellite System:LNSS)もLANSを構成する衛星ノードになる。
LunaNetで標準化される測位信号(Augmented Forward Signal:AFS)を欧米の測位衛星とともに月面に向けて配信する計画となっている。月面での探査車(ローバー)の走行や基地建設などの活動で欠かすことができない要素として考えられている。
今回のアークエッジ・スペースとJAXAの契約は、2030年代前半に月の南極域でLNSSの「高精度かつ広域の定常的運用サービス」(Full Operational Capability:FOC)開始を目指して、月測位精度の高精度化などを検討するというもの。
実証ミッションの検討手法に加えて、地上局観測や南極域ビーコンからの測位信号、光学観測を追加してLNSS衛星の軌道時刻決定精度を向上させることで月測位精度の高精度化が達成できるのかどうかも検討する。
NASAが主導する月探査計画「Artemis」をはじめに月面活動が活発化することで人類の生活圏や経済圏は月に拡大し、さまざまな月面産業が立ち上がろうとしていると同社は説明。月面活動の初期段階を経て、徐々に月面産業が活発化していくと考えられているという。月面での活動には地上と同様に測位や通信などの基礎インフラが必要であり、より高精度で広域での月測位サービスへのニーズが高まると予測されている。