GPSは「ジャミングやスプーフィングに脆弱」にロッキードが異義「技術革新を無視」

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GPSは「ジャミングやスプーフィングに脆弱」にロッキードが異義「技術革新を無視」

2024.12.05 08:00

塚本直樹

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 米Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)は「全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)」の脆弱性を指摘する見解に異論を唱え、新型GPS衛星のセキュリティ機能を強調している。海外メディアのSpaceNewsが報じた

 GPSは米国が運用する測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)であり、約30機の衛星から発信される信号を地上で受け取り、現在位置を知ることができる。信号を偽る「スプーフィング(なりすまし)」のような高度な電子戦技術や「ジャミング(信号妨害)」に対して脆弱と指摘されるようになっている。

 Lockheed Martinで測位・航法・タイミング(PNT)の事業開発戦略担当でディレクターを務めるJesse Morehouse氏は、そのような指摘はGPSに関するセキュリティのアップグレードや技術革新を無視していると説明。GPSの信号に使われている高度な軍事用信号の「Mコード」の偽装は「不可能ではないにしても、非常に困難だ」としている。

 2027年から打ち上げが予定されている、最大22機で構成される「GPS IIIF」衛星で登場する高度なセキュリティ機能について、より強力で妨害に強い地域軍事保護機能が搭載されると述べた。しかし、他の請負業者によって開発される近代化された地上システムと受信機が完全に配備されるまで、いくつかの重要な機能は十分に活用されないという。

 米空軍省は「Resilient GPS(R-GPS)」プログラムを進めている。これは、既存のGPSシステムを商業設計に基づく小型で低コストな衛星で補完するもので、2028年までに最大8機を打ち上げる予定だ。

Lockheed Martinが製造するGPS IIIFは2027年から打ち上げられる予定(出典:Lockheed Martin)
Lockheed Martinが製造するGPS IIIFは2027年から打ち上げられる予定(出典:Lockheed Martin)

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SpaceNews

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