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スペースX、バナナ1本を積んで「スターシップ」6回目の打ち上げ成功–空中キャッチは断念
2024.11.20 09:19
Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)は米国時間11月19日、次世代ロケット「Starship」(スターシップ)の統合飛行試験(Integrated Flight Test:IFT)の6回目(IFT-6)となる「Flight 6」を成功させた。ロケット下段に相当するブースター「Super Heavy」の発射台アームによる空中キャッチは実施されなかった。
StarshipはSuper Heavyと組み合わせることで、全長121mにもなる巨大ロケットだ。将来は米航空宇宙局(NASA)による月着陸ミッション「Artemis III」(アルテミス3)や火星探査での使用も予定されている。10月に実施された「Flight 5」では、Super Heavyの発射台アームによる空中キャッチも実施された。
南テキサスのボカチカにあるSpaceXの打ち上げ施設「Starbase」から実施されたFlight 6。ロケット上段の宇宙船こと「Starship」は打ち上げ後の分離に成功し、予定されていた軌道へと投入された。
予定されていたSuper Heavyの発射台アームでの空中キャッチは断念し、メキシコ湾に軟着水した。SpaceXは空中キャッチが実施されなかった理由を明かしていないが、「多くの条件が整わなかった」と述べている。
ロケット上段のStarshipは、宇宙でのメインエンジンの再点火に成功。その後、大気圏へと再突入し、インド洋への軟着水にも成功した。今回の大気圏への再突入は、Flight 5よりも過酷な条件が設定されており、加熱環境によるストレスをテストするために2万枚以上の耐熱タイルが取り外されている。
今回のFlight 6では、ペイロードとして「1本のバナナ」がStarshipに搭載された。これは、SpaceXの衛星ブロードバンドサービス「Starlink」(スターリンク)の受信アンテナ「Starlink mini」と同等のサイズだという。