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NTT Com、配水ポンプ場の点検作業をドローンで効率化–バックホール回線にスターリンク

2024.11.20 08:00

　NTTコミュニケーションズ（NTT Com）は、屋内用ドローンポート「Skydio Dock」と法人向け衛星ブロードバンドサービス「Starlink Business」を組みあわせてドローンの自動巡回で配水ポンプ場を点検する実証実験に成功した。11月19日に発表した。

　横浜市水道局は、24時間365日安全で良質な水を安定的に送り届けるために市内23カ所の配水ポンプ場を月1回巡視点検して、設備の安全性を維持している。

　巡視点検では、ポンプ設備に異常がないか職員が巡回して目視で判断している。現地への移動に時間がかかり、ベテラン職員の退職を見据えた巡視点検の体制構築が課題となっていたという。自律飛行が可能なドローンを活用して自動で巡回点検することで課題を解決、撮影した映像を一元管理できるようになるとしている。

実証実験を実施した仏向ポンプ場。1日平均の排水量は約2万m3（出典：NTT Com） — 実証実験を実施した仏向ポンプ場。1日平均の排水量は約2万m³（出典：NTT Com）

　実証実験では、横浜市保土ケ谷区にある仏向（ぶっこう）ポンプ場屋内でドローンを活用した自動巡回飛行で飛行の正確性や安定性、撮影画像の有用性、携帯電話の電波強度が不十分な「不感地帯」での電波品質などを調査。ドローンを活用して配水ポンプ場内の自動巡回点検を効率化できることを確認した。

　実験では、バックホール回線としてStarlink Businessを活用。電波を中継することで配線せずにWi-Fiエリアを構築できるアクセスポイント「PicoCELA」を複数台組み合わせることでポンプ場内全域でドローンと安定的に通信できるようになっている。

　Skydio Dockを活用して、配水ポンプ場内でドローンの自動離着陸と自動給電が可能。ドローンは事前に設定された自動飛行ルートを複数回飛行し、撮影対象物を繰り返し同じ位置で撮影。撮影された画像や映像は、クラウドサービス「Skydio Cloud」経由でリアルタイムに伝送され、現地の目視確認と同じレベルの確認が遠隔地からできることも確認している。