インド、2028年に「チャンドラヤーン4号」で月からのサンプルリターンに挑む

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インド、2028年に月の南極からサンプルリターンに挑む–「チャンドラヤーン4号」で3kg採取

2024.11.01 16:59

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 インドは2028年に「Chandrayaan-4」(チャンドラヤーン4号)で月の南極からのサンプルリターンミッションに挑む。

 Chandrayaan-4は月の南極付近の水と氷に富んだ地域から3kgの試料(サンプル)を採取し、地球に持ち帰ることを目的としている。同ミッションには210億ルピー(約380億円)が割り当てられた。

 ミッションでは、インド宇宙研究機関(ISRO)で最も強力という「LVM-3」ロケットで5つのモジュールを2回に分けて打ち上げる。最初の打ち上げでは「降下モジュール」と「上昇モジュール」を宇宙空間に運び、2回目の打ち上げで「再突入モジュール」「移送モジュール」「推進モジュール」を宇宙空間に運ぶ。

最初に打ち上げられる降下モジュールと上昇モジュール(出典:ISRO)
最初に打ち上げられる降下モジュールと上昇モジュール(出典:ISRO)
2回目に打ち上げられる再突入、移送、推進の3つのモジュール(出典:ISRO)
2回目に打ち上げられる再突入、移送、推進の3つのモジュール(出典:ISRO)

 打ち上げられた5つのモジュールは地球楕円軌道上でドッキングする。推進モジュールで最初のマヌーバを実施。推進剤が切れると推進モジュールはドッキングを解除する。降下、上昇、再突入、移送という4つのモジュールで月を目指す。

 月周回軌道に入ると、降下モジュールと上昇モジュールが切り離され、月に着陸する(再突入モジュールと移送モジュールは月を周回)。月着陸後、降下モジュールに搭載されたロボットアームでサンプルを採取して、上昇モジュールに移す。

 上昇モジュールは月周回軌道まで上昇して、再突入モジュールと移送モジュールにドッキングする。サンプルは上昇モジュールから再突入モジュールに移される。サンプルを移送した後に上昇モジュールはドッキングを解除される。

 サンプルを格納した移送モジュールと再突入モジュールは地球に帰るためのマヌーバを実施。地球周辺で移送モジュールは切り離され、再突入モジュールは大気圏に再突入して、サンプルを地球に送り届けることになる。

 上昇モジュールと再突入モジュールの軌道上でのドッキングを練習するため、ISROは「宇宙ドッキング実験(SPace Docking EXperiment:SPADEX)」を12月に実施する予定。

 Chandrayaan-4の着陸地点はまだ正式に発表されていないが、以前の報道によれば、月の南極付近の「Shiv Shakti Point」(シブ・シャクティ・ポイント)への着陸を目指すとされていた。同地点は、現在休止している月探査機「Chandrayaan-3」(チャンドラヤーン3号)の着陸地点だった

探査機「Clementine」で撮影された月の南極(出典:NASA / JPL / USGS)
探査機「Clementine」で撮影された月の南極(出典:NASA / JPL / USGS)

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ISRO発表
Space.com

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