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地上システムが原因で「アルテミス2」に遅れの可能性–米政府監査院報告
2024.10.22 13:25
地上システムの改修により月探査ミッション「Artemis II」(アルテミス2)の打ち上げが遅れる可能性があると、米政府監査院(GAO)が報告している。
米航空宇宙局(NASA)が実施するArtemis IIでは、宇宙飛行士が月の周囲を飛行する予定だ。打ち上げは2025年9月を予定しており、「Space Launch System(SLS)」ロケットや「Orion」宇宙船が使用される。
GAOの報告書によれば、SLSとOrionの打ち上げに必要な移動式発射台、その他の地上システムを含む、探査地上システム「Exploration Ground Systems(EGS)」プログラムの作業からArtemis IIが遅れる可能性があるという。2022年11月に実施された「Artemis I」(アルテミス1)の打ち上げ後、NASAは地上システムのアップグレードと修理に取り組んできた。
「EGSは完成に近づいているが、プログラムにはこれらの残りの活動のためのスケジュール的な余裕がない」とGAOは指摘。「テストや統合にさらなる問題が発生した場合、2025年9月のArtemis IIの打ち上げ予定日は遅れる可能性が高い」
GAOによれば、Artemis IIの打ち上げが遅れれば、有人月探査ミッション「Artemis III」(アルテミス3)も遅れ、Artemis IIで移動式発射台が損傷した場合にはさらに遅れが大きくなると述べている。
EGSプログラムには、2024~2028の会計年度で37億ドルの運用コストがかかるとみられている。