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「H3」ロケットで民間初の相乗り、BULLが最初の顧客に–デブリ化防止策を実証
2024.10.22 08:00
BULL(栃木県宇都宮市)が開発する実証装置が「H3」ロケットに相乗り(ライドシェア)で2025年度内に打ち上げられることが決まった。衛星やロケットなどの宇宙機が宇宙ゴミ(スペースデブリ)になるのを自律的に防止する装置の開発につながるという。
BULLが開発する実証装置は、膜面を伸展させて大気の抵抗を増大させて軌道降下を早めるのが目的。この実証で、軌道降下に必要な要素技術の検証を着実に進められるという。文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR)に採択されたテーマとして進められている。
H3での相乗り枠を提供したのはSpace BD(東京都中央区)。同社は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から「H-IIA及びH3ロケット相乗りによる超小型衛星打上げ機会の提供事業」の民間事業者として選定された。Space BDがJAXAから調達した打ち上げ枠を利用して民間サービスとしての相乗り事業になる。H3を利用した民間事業者にとって初の相乗り事業となり、BULLが最初の顧客になる。
BULLは、運用が終了した宇宙機を軌道から離脱させるための「PMD(Post Mission Disposal)」装置を開発中。PMD装置を「イプシロンS」ロケットに搭載して、衛星分離後に軌道上に残置されるロケットの第2段(上段)をPMD装置で早期に軌道から除去できるかどうかを検討する取り組みをJAXAと共同で進めている。
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Space BDプレスリリース